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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




~実り~





ふと、ピアノの音が止まる。

驚いて私も手を止め、シドへと顔を向ける。

シドの射抜くような鋭い、まっすぐな瞳。

シドが片手を静かに上げ………。

私は、反射的にビクリと身体を震わせる。



「んな、顔すんな。なんもしねえよ」



そう言いながら、私の前髪をかきあげる。

私の頭の上に置かれる、シドの大きな手。



「悪かった」



急にシドが、そう言う。



………え、嘘。

シドが謝るなんて………。

私は、あまりにも意外で、シドをじっと見続ける。



「なんだよ」



「だって………」



シドは、私の頭の上で、髪を軽く引っ張ったり、指に巻きつけたりしている。

その仕草が、あまりにも優しくて。

私の両の目からは、いつのまにか涙が溢れてきていた………。



「お前の泣き顔は、見たくねえ」



「………っ、いつも泣かせるのは、シドなんだけど」



「もう泣かせねえよ」



そう言うと、顔を近づけてきて………。

私の額に、口づける。



「………っ!」



「嫌なら、やめとく」



シドが、ゆっくりと離れていく。



嫌なわけ、ない。



私もシドを欲している。



―――媚薬。



もしかしたら、それは、私にも効いているのかもしれない。

そんな事を思いながら。

私は、シドの首に腕を回す。







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