第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
この気持ちをなんというのかわからない。とにかく俺は、熱に浮かされるようにして、来る日も来る日も雑誌を食い入るように見つめ続けた。
それからというもの、発売日には、予約注文している雑誌を一目散に買いに行き、リリカの姿を探した。
もちろん、毎号載っているわけではなく、期待はずれで捨てた雑誌も数多くある。
次の発売日まで手持ちの雑誌で自分を慰めた。後一ヶ月、またこうして待つのかと、ため息の毎日だった。
彼女は現実に存在する。しかも、どこにいるかもわかっている。会いに行こうと思えば会えるのだ―――。
けれども、俺にメイドカフェなる場所に行く勇気はなかった。
リリカを目の前にしても、きっと俺は、気の利いた言葉も彼女を喜ばす言葉もかける事ができないであろう。
そんな自分を彼女の前に晒すなんて、到底できそうになかった。
俺の中では、誌面の中で笑っているリリカが現実であり、すべてだった。
空想の中でリリカと話し、笑い合い、手を繋ぎ、そして………身体を重ねた。
それで満足だった。満足しようとしていた。
それなのに―――その日は、突然やってきた。