第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
~告白~
「言い訳をしてもいいですか?それから、最初に言っておきますが………これは、告白ではありません。ですから、勘違いしないでいただきたい」
そう前置きをして―――アルバートは経緯を語り始めた。
とある休日の昼下がり―――。
宿舎の談話室で、ユーリが買って来たというメイドアイドル専門の雑誌を勧められるがまま渋々覗き込んだのが始まりだった。
その中で、トップページを飾る『カフェ☆モエ~ルのリリカちゃん』にたちまち心奪われてしまった。
『アルはどのコがタイプ?あ、やっぱりリリカちゃん?メイドアイドル人気ナンバーワンだもんねー』
『なっ………俺は、別に、アイドルなんかに興味はないっ』
『ふーん、そっか。うん、でもいいよ。俺、もう見たから、これ、アルにあげる。ゆっくり見るといいよ』
『こんな雑誌いらん………おい、待て。置いていくな!』
『いらなきゃ捨てていいよー』
―――そう言って、笑いながら立ち去って行ったユーリ。
俺は、雑誌を広げて―――他のコなんて見る気もしなかった。ただ、リリカばかりを食い入るように見た。
なんて、かわいいのだろう。
優しい笑顔で俺をじっと見つめているリリカ。キラキラの瞳に愛らしい口元。儚げなのに凛とした美しさを持っている。
こんな人が現実にいるとは………。