第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
自分の趣味の詰まった本棚を見られたくないって思ってるのかな。
あ、もしかして見られて困る本があるとか!?
………それって、もちろん、アレだよね。
エッチな雑誌!!
急に来たんだし、男子宿舎に女子が入ることはまずないから、そういう本が無防備なトコに置いてあってもおかしくないもんね?
好奇心に駆られてアルバートの背後から再び本棚を覗き込む。
そうしているうちに、ふと、一番下の端にある数冊の雑誌に目がとまる。
他の本とは明らかに毛色の違うカラフルな背表紙。
あれ、これ………なんか見覚えがある―――。
そう思ったら、身体が勝手に動いていて、その背表紙に指を引っ掛けていた。
「………なっ、それはっ、触らないでください!」
「えっ、きゃっ」
アルバートの焦った声に驚いて手を離すと―――その雑誌は、バサリッと私達の間に広がった。
「これはっ」
あわてふためきながら、一冊の落ちた雑誌を抱えあげ、後ろ手に隠すアルバート。
けれど、私の視線は、本棚に残されたそれ以外の雑誌に釘づけだった。
「か、勝手に見ないでください」
「どうしてここに?これ、アルバートの本棚だよね?」