第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「前に学園長室で、たまたまパソコンの中身を見ちゃったことがあるのね。あ、といっても、全然たいした内容じゃなかったんだ。だけど、アーサーからすごく怒られちゃって」
ゆっくりと言葉を選びながら、差し障りない内容を伝える。
「なるほど。そのせいで、セキュリティを強化したのでしょうか」
「あ、う、どうかな。やっぱりそうかな。だったら、ごめんねだね、話しておけばよかったね」
「いえ、いいんです。しかし、それで納得がいきました。アーサー・コナン・ドイルが、俺とマイン先生との関連性をそれとなく聞き出そうとしていたので、あなたが何かしたのではないかとずっと気になっていました」
「アーサーが?私との関連性って、どういうこと?」
「安心してください。あなたの事は一切、口に出していません。これは、すべて俺の独断で、次のテストでいい成績を取りたいが故の愚かな過ちだったということにしました」
「そう言って、私のことをかばってくれたんだね?こうなったのは、やっぱり私のせいだよね」
「あなたに言われた事はきっかけに過ぎません。この件は、独自で究明していましたので、いずれはハッキングに至っていたと思います。遅かれ早かれこのような事態に陥っていたでしょう。ですから、もう気にしないでください。カイン=ロッシュとノア=レオンハートには俺からうまく話します」