第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
軽くため息をついて、語られた事実―――。
「俺は、元々、サン・ジェルマン伯爵とアーサー・コナン・ドイルには裏があると踏んでいました。リアリン学園長が退任、伯爵の学園長就任に何か引っかかるものを感じていましたから」
そうして、私の一言に確信めいた予感がして、昨日の夜、伯爵のパソコンに侵入することにしたのだと言う。
「過度なほどの厳重なセキュリティだったので苦労しましたが、データの取り出しには成功しました。しかし、ダウンロードしようとした瞬間、逆に侵入されました。パソコン内のすべてのデータが破壊され、スマホもその時点で使用不可となりました。妨害措置が施されたことは明らかです。そして、今朝、登校するなり学園長室に連れて行かれました」
「今朝、登校したんだ?だから、制服なんだね」
上着は着ていないけど、きっちりとネクタイを締めた制服姿なことに改めて気づく。
「何をしようとしたのか問い詰められたので、テスト問題を盗もうとしたということにしました」
「どうしてテスト問題を盗もうとしたなんて言い訳にしたの?そのせいで停学になっちゃったんだよ?」