第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
アルバートはベッドの真ん中に腰を下ろし、私に向き直り、改めて問う。
「何故、ここに来たのですか?」
「カインとノアに、様子を見て来てほしいって言われたの。もちろん、私だって心配だったし、早く話がしたかったんだ。学園では、アルバートがテスト問題を盗もうとしたとか言われてるし、三日間の停学なんて!本当は何をしたの?私のせい?私のせいだよね?私がパソコンのデータを取り出せるか、なんて余計なこと言ったから。そうだよね?」
話しているうちに段々と感情が高ぶってきてしまって、抑えようがない。
「でも、私、忘れてって言ったよね?それなのに、なんで?だけど、多分、それ、気になっちゃったんだよね?アルバートの正義感に火がついちゃったんだよね?本当にごめんね。謝っても謝りきれないよ。私………」
「一旦、落ち着いてもらえますか」
「あ………ごめん。私ばっかり喋っちゃって。でもね………」
ハッとして口に手をあてる。けれど、やっぱり黙っていられなくて再び口を開こうとすると、アルバートが手の平を上げて制する。
「理由はわかりました。この後は、どちらかというと、俺の話を聞くべき状況だと思います。だいたいは、マイン先生の言うとおりですが、事の成り行きをお話します」