第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「今更、躊躇されても困るのは、こっちの方です。俺は謹慎中なので外には出られませんし、あなたがここにいることを誰かに見つかった場合、それこそ大変なことになりますので。どうぞ」
確かに。いくらフリーパスのIDカードといえど、私自身が見つかったらどうにもならない。
他に話す場所はないし、ここは入るしかないよね!?
「じゃあ………お邪魔します」
おずおずと足を踏み入れる。
入るとすぐ、短いけれど廊下になっていてトイレと洗面所らしきドアがある。そこを抜けると左右の手前に勉強机と本棚、奥にベッドと備え付けのクローゼットがそれぞれ置かれている。
部屋の真ん中には何も置かれていなくてポッカリと広い空間を保っている。すべての家具が二つずつ置かれているからそんなに感じないけど、部屋自体は、かなり広い。
「二人部屋なんだね?」
「三年になると個室になります。女子宿舎も同様ですよね。そこへ座ってください」
左側の勉強机から椅子を引き出して勧められる。
つまり、左側がアルバートか。
椅子に座りながら、机の上のノートパソコンに目を向ける。その画面は、チカチカと点滅を繰り返していた。
壊れてるのかな?