第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「これはねー、記録に残らないから学園内で自由にできるんだ」
「え?記録に残らない?自由にできる?それって、なにかいいことあるの?」
「先公のくせに頭悪ぃな」
カインの言葉にカチンときて言い返そうとするけれど、とりあえず黙る。
「つまり、IDが必要な場所に誰にも知られず出入りできるってこと」
IDが必要な場所に誰にも知られず出入りできる………?
学園内はIDが必要だ。だけど、どこだろうと誰かに知られて困るような場所じゃないよね?
「ごめん、まだよくわからない。そのフリーパスカードをどうして私に?これをどう使えと?」
「ほんっと、鈍いな。つまり、これありゃ、男女関係なく宿舎に出入りできるってことだ」
「宿舎?」
「うん。マイン先生、メガネ君と話したいんじゃないかと思って。スマホも取りあげられてるだろうから通信手段なさそうだし」
「つまり、男子宿舎に行ってアルバートと話せってこと?私が?」
「アルバートのヤツ、多分、俺らには話さねえと思う。巻き込みたくねえとかなんとか言いそうだからな」
「マインは、なにか知ってるんだよね?」
「………」