第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
そうしたら、もう、止まらなかった。
「ふざけんな!あんた達、クラスメートだよね?アルバートがそんなことする人じゃないって知ってるよね?何かの間違いだって思えないわけ?どうして信じてあげられないの!?」
そう、一気にまくしたてる。
呆気に取られて私を見つめる生徒達の視線を感じ、我に返る。
わ、どうしよ、言っちゃった、言っちゃったよぉ………。
自分で自分の言動に慌てふためいて、いたたまれない思いで立ちつくす。
そんな中―――。
「起立」
カインがおもむろに立ちあがり、声をあげる。
その声につられて、生徒達は顔を見合わせつつも起立する。
「礼!」
全員で頭を下げる。
いつもの、始まりの挨拶だ。
私も同様に頭を下げる。
―――顔を上げた時には、教室の空気はピリリとしていて、静けさが辺りに立ち込めていた。
そのおかげで、なんとか気を取り直した。
テストが近い。予定通りの範囲まで進まなければ―――焦る気持ちを払拭するように軽く頭を振り、しっかりと気持ちを切り替える。
そうして、何事もなかったかのように教科書を開き、授業を始めることができた。
ほっと安堵のため息をつきつつ、心の中でカインに感謝する。