第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「それでは。昨夜、2年1組、アルバート=ブルクハルトがテスト問題を盗もうと学園のパソコンに侵入しました」
ん?
え?今………何て言った?
衝撃的な一言に、職員室中がザワザワとする。
テスト問題を盗んだ?アルバートが!?
え―――っ!?
「あ、あの、つまり、それって、そうなると、まさか、テスト問題を作り直すということになるのですか!?」
弱々しい悲痛な声が違う方向から聞こえてくる。
黒崎にテスト問題のデータ化を押しつけられてた、あの生物の先生だ。
青ざめた顔で身体を震わせている。二学年分のテスト問題作成担当なのに、更に黒崎の分を再度作るのかと考えただけで、卒倒しそうなんだろうな。
他の先生達も不安気な様子だ。もちろん、私だって………って、気にする点は、そこじゃない!!
「いえ、幸い未然に防ぐことができましたので、問題の流出には至っておりません。ですので、本来なら厳罰に処するところですが、生徒の将来も考慮し、今回は三日間の停学処分と致します」
三日間の停学!?
サァーッと血の気が失せていくのを感じる。
アルバートがテスト問題を盗むなんて。ううん、そんなことするはずがない。
だって。
『俺は、不正を許せない性分なんです』
昨日、ハッキリとそう言った。あの瞳に嘘はない。