第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
部屋に戻ってくるとすぐに、パーティー用のドレスに着替える。
髪を整え、化粧を直す。
鏡の前で向きを変え、おかしなところはないか、確認して………。
そして………ドレッサーに置いた包みに、目を向ける。
これは、今朝、ユーリからもらった物だ。
私がすぐに開けようとすると、こう言われたのだ。
『ゼノ様と2人っきりになる、ちょっと前に開けてね♪』
そう言ってたけど………なんだろう。
朝からずっと、気になっては、いた。
………なので。
私は、好奇心の方が勝って、包みをゆっくりと開けてみる。
「あれ………リボン?」
けっこうな太さのある、長いリボンが出てきた。
これ………どう使うの?
頭の上に置いて、ひと巻きしてみる。
髪飾りに使うには、あまりにも長すぎるよね。
リボンを両手に持って、腰に巻きつけてみてみるも………。
そのまま手にクルリと巻きつけ、ついでに首にも巻いてみる。
まだまだ余裕ある長さ、だよね。
一体、何に使うんだろう………。
ドレッサーに近づき、余ったリボンをクルクルと、また体に巻きつけてみる。
空いた包みが、ハラリと床に落ちると同時に、一枚のカードが舞い落ちていった。
一緒に添えられていたのであろう。
拾い上げようとして―――。
………あれっ。
動きが止まる。
どうやら、リボンが絡まってしまったようだ。
………私ったら、何やってんだろ。
焦りながら、リボンの端を探す。
えっと………ここがこうなってるから………こっちは………。
リボンと格闘していると、急にノックの音がした。
「え………あ、あの、ちょっと待っ………キャッ!」
リボンを踏みつけてしまい、私の身体は大きく傾く。
―――ガチャリ。
その、私の声に驚いたのか、ノックの主が部屋に入って来て―――。