第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
~身支度~
「料理は、俺とアルが運んでおくから、マイン様は着替えてきたら?」
予定していたすべての料理が出来上がり、会場に運ぼうとワゴンに料理を乗せていると、ユーリがそう言った。
「そうですね、ゼノ様のために、綺麗にしてきてください」
「やだな、アルったら。マイン様は、そのままでも充分綺麗なんだから!」
「………なっ!そういう意味で言ったのではない!……プリンセス、あなたは、いつでも、その………とても、お綺麗です」
「え、あ、ありがとうございます」
突然の褒め言葉に戸惑いながらも、お礼を言う。
「はっ………あ、いや………お、俺は何を言っているのだ?」
心なしか顔を赤らめ、慌てふためいた様子で呟くアルバート。
自分で自分の言った言葉に戸惑っている感じが、面白くて………。
「アルって、なーんか、面白いんだよね」
ユーリも私と同じ事を思っていたのか、笑って言う。
「なっ………貴様は!俺に向かって面白い、とはなんだ!」
「ほらー、そういうところが、さ」
また始まった。
クスクスと笑いながら、部屋へと向かう。