第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「生徒会の方は順調なんですか」
アルバートがミシェルに話しかける。
「顧問が脱線してばかりでイライラしますが、とりあえず順調です」
アーサー………脱線しまくってるんだあ。
「まあ、ゼノ様のことですから心配ないとは思いますが、何かありましたらいつでも言ってください」
「あ、俺もいるの忘れないでね!ゼノ様のためなら、なんだってやるからね」
「貴様に頼ることなどない」
「え~、そんな言い方ないよ~。俺、ゼノ様をお守りするために飛び級したんだし」
「貴様がいなくても俺がゼノ様をお守りする。まったく。普通に進級していれば顔を合わせることなどなかったのに」
二人とも、とてもゼノ様が好きなようだ。
「アルバートとユーリって兄弟みたいだね」
二人の微笑ましいやり取りを見て、思ったままを口にする。
「なっ」
「え」
「こんなヤツと兄弟!?どこをどう間違ったら、そんな発想が生まれるんですか!」
「本当だよ~。俺だって、こんな兄貴やだ」
そんな二人の反応に、つい、クスッと笑ってしまう。
「ほら、そういうところが。仲いいよね」
「なっ、あなたは、一体どういう思考回路をしているんですか?ここは、笑うところではありません」
アルバートがムキになるので、私はますます笑ってしまう。