第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「どんぐりの背比べといったところか」
ボソリと呟くアルバートに、すかさず反応して言い返す。
「さっきからその言い方、いちいち気に障るんだけど!私、アルバートにだって負けないからね!」
「最初に言ったはずですが、マイン先生はユーリと、俺は太宰先輩と対戦します。なので、俺に対する勝利宣言は無意味かと」
「………え?皆でやるんじゃないの?四人でワイワイ取り合いするのかと思ってた。違うんだ?」
「やはり、よくわかっていないようですね。マイン先生達の札はそこ。ですから、こちらの札は俺のです。間違えて取らないように。あなたは、手元の札だけ見ていればいい」
「手元の札だけ見てたら勝てないでしょ?ユーリの札も見てなくちゃね」
上から目線の発言続きなアルバートに対抗して、揚げ足取りをしてやる。
「俺の札取りに来るつもり?マイン先生って、ファイターだなあ。強気でいいね。お手柔らかにお願いしま~す」
「ユーリまで!そのからかい口調やめてよね!」
「………時間が惜しいので始めましょうか。マイン先生へのハンデのためにも暗記時間は省略して構いませんよね、太宰先輩?」
「ああ、そうしよう」
「何、その私のハンデって?どれだけ私のこと見下してるわけ?」
「ハンデは必要でしょう。なにせ、マイン先生は初心者ですから」
「初心者扱いしてくれなくて結構ですよ~だ。さ、始めよう~!」