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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




シドは、ベッドに寝転がり、あの日をゆっくりと振り返っていた。



あの日―――。

早朝、やっと仕事を終え、隠れ家に戻った。

それから昼まで寝て、遅い昼食を取り、ジャスを散歩に連れて行った。

最近は仕事に追われて、ゆっくり寝る時間もなかったのだが。

ジルとの約束の時間までに、久しぶりにのんびり過ごせたのだ。



そして、夕刻。

シドは、ジルに頼まれていた仕事の報告に城へ行き、部屋を出たちょうどその時、ルイに会った。

その時まで、マインとルイがピアノの練習をしている事など、すっかり忘れていた。

そこでルイの顔を見て、思い出したくらいだ。

それくらい、関心のない事だった。

シドは、視線を外しながらも、向こうからまっすぐに歩いて来るルイに、声をかけたのだ。





あの時、ルイの奴、おかしな事ばかり言ってやがったな………。





『シドに、この曲を弾いてほしいって、マインが言うのが………どうしてか、わかった気がする』



俺に弾いてほしいって………?

マインが言うのが、どうしてか、わかった気がする、だと?



………ルイは、何を言いたかったんだ?





そして………楽譜を押しつけられた。

手に取った楽譜に目を落とす。

なんだ、これ。

細けえ楽譜。

しかも、長え。

………知らねえ曲だな。



誰かが、書いたのか。

誰だ、こんなしちめんどくせえ曲、書きやがったの。

断っておいて、正解だったな。





楽譜を見ながら、そんな事を思っていた。







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