第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「覚えてるかい?そういえば、あの時………」
そうして、二人は思い出話に花が咲き始めた。
この二人って、いつからの知り合いなんだろう?
太宰さんの年齢からユーリの年齢を引いて、ユーリの飛び級した年数を足したら、何年留年したかがわかるってことだよね………。
そんなことを考えながら、なんとはなく二人の間に佇んでいた。
それから少しして。
「遅れまして」
その声と共に、控えめに引き戸が開いたのだ。
「………なっ、貴様、ここで何をしている!?」
まだ入口に立っていたユーリに向かって、声を荒げるアルバートの姿がそこにあった。
「何って。俺、今日から、かるた部。よろしくね、アル」
「何のつもりだ?何故、今になって、かるた部に入ろうなどと思った?」
ユーリに詰め寄るアルバート。
「お昼のアナウンス聞いてピンときたんだよねー。あ、これ、きっと、マイン先生が顧問になったんだなって。これから放課後が楽しくなるな~って思ったからさ」
「つまり、貴様は、マイン先生目当てで、かるた部に入ったということか?嘆かわしい!」
アルバートの勢いをものともせず、いつもの調子の笑顔なユーリ。
………対照的な二人だなあ。