第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
こうして、毎日が慌ただしく過ぎ去っていった。
そして、とうとう―――。
「テスト問題の提出は明日の朝です。先生方、締め切り厳守でお願いしますよ」
朝から、ジル教頭の厳しい声が職員室に響く。
最後の追い込みで、殺伐とした空気の中、私は一人涼しい顔だ。
カタカタカタッ。
よし、プリント!
ウィン、ウィ~ン。
少し離れた場所にあるプリンターから、リズミカルに用紙が出てくるのが見える。
足早にプリンターへと近づき、仕上がりを確認する。
うん、いい出来!
再び席に戻り、ジル教頭宛にテスト問題のデータを送信する。
カチッ。
完了!
仕事をやりきった晴れ晴れとした気持ちで、胸がいっぱいになる。
と、ジル教頭がおもむろに立ち上がるのが目に入った。
あれ………こっちに来る?
今のデータ、なんか不備あったのかな?
あ~~ん、せっかく終わったと思ったのにぃ!
「マイン先生」
「はいっ」
うわ、やっぱり、私だあ。
「古典のテスト問題、確かに受け取りました。とても良い出来ですね。よく頑張りましたね」
「ありがとうございます」
やった!褒められた!
妖艶な微笑みにドキリとしつつも、丁寧に頭を下げる。