第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「マイン先生の………それは、癖かい?」
「え?」
「そうやって、じっと見つめるのは、誰にでもそうしているのかな?男は単純だからね、そんな目で見られたら勘違いしちゃうよ」
「………っ、そんなつもりはないです」
「そう。じゃ、気をつけて」
そう言って立ち上がると、私の頭に軽くポンと手を置き、去っていった。
隠れ家で会って以来、シドの容態を聞くために話すようになって、それから時折、相談にのってもらったりしている。
ジル教頭にシドとのことを咎められた時、事情を知っていたにもかかわらず、そのことに触れずに私を慰めてくれたこともあった。
安心できる雰囲気があって、つい何でも話してしまう。いつだって親身になって話を聞いてくれる、優しいお兄さんといった感じかな。
大きな手の感触が残っている。
ロベール先生から見れば、私なんて、まるで子どもなんだろうな―――。