• テキストサイズ

【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~




そこで、ふと思い立ち、太宰さんを追いかける。



「ちょっと待って」


「女性に引き止められるのは、なかなかいいものだね」


「そういうんじゃなくて。ねえ、明日も誰も来なかったら、勉強教えようか?」


「なぜだい?」


「なぜって………試験が近いから、少しでも勉強した方がいいんじゃないかと思って。また留年したら困るでしょ」


「ありがたい申し出だねえ。けれど、勉強しても試験の日に気分が乗るかどうか」


「は?気分が乗るかどうかって………?」


―――何、それ!

試験を受けるか受けないか、気分によるわけ?

問題は、そこ?そんな手前なの?



「あのね、試験ってのは、気分が乗るとかどうとか以前に、受けるのが必然なの。とにかく、明日は鞄を持って来て!」


いつも本を一冊持ったきりの身軽な出で立ちなことに気づいて、そうつけ加える。



「勉強はきちんとしているんで、俺のことは心配ご無用。とし子先生の方こそ、試験問題作成で忙しいのでは?」


「もちろんそうだけど」



テスト問題作成は、職員室内でと決められているので、ここではできない。

どうしようかなと思ってはいるけど、せっかく顧問になったのだから、なるべく顔を出したい。

けれど、肝心のかるた部がこんな状態じゃ、どうしようもないよね。



「かるた部は、ご覧のとおりだよ。だから、しばらくはテスト作りに専念したらどうかな」


「ん~、そうだね。ここは、太宰さんにお任せする。じゃあさ、他の部員が来たら、その時は私を呼んでくれるかな?」


「ああ、そうしよう」



こうして、就任二日目にして、かるた部を離れ、放課後は職員室で問題作成することとなった。







/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp