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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~




………とりあえず、いくらかるた部員でも、これ以上の関わりを持ちたくない。

警戒心を緩めることなく、今いる位置からまっすぐ歩いていく。

彼のいるところと反対方向の窓際に、一つだけ簡素な小ぶりのテーブルが置かれていた。

そこに鞄を置き、静かに椅子を引く。

ここで他の部員が来るのを待とう。皆が来てから改めてゆっくり話せばいい。

次に来るのは、この人より確実にマシな人だろうし。



フウッと息をつき、手の平で仰ぐ。

興奮気味のせいなのか、カーディガンのせいなのか、妙に暑い。



「暑いかい?」


そんな私に気づいて、こちらを見ながら、よいしょと立ち上がる太宰さん。



え、なんで、突然立つの?

思わず身体を強ばらせる。

こっちに来る―――?



「エアコンにしようか」


そう言うと、端の窓を閉め始めたのだ。


「いえっ、大丈夫です!もうエアコンが必要な時期でもないし、このままでいいです!」


「そうかい?でも、とし子先生は、汗をかいているようだね?それなら、せっかくの文明の利器を活用しなければ」


「文明の利器って………あの、太宰さんは暑くないんですか?」


「ん?暑くないよ?夕日が眩しくはあるけど、自然の風は、やはり心地いいね」



サァ―――ッ。



その時、緩い風が吹いて、太宰さんの前髪が揺れた。

よく見ると、聡明そうな整った顔立ちをしていて、切れ長の目が優しい色をしている。



変わった人ではあるけれど………悪い人では、ないよね?

そう思い直して、軽く息をつく。







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