第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
「ええ、そうなのですが………」
ん?
対して、なぜか、歯切れの悪いジル教頭。
初めてのテスト問題作成に合唱の指導、それに加えて、かるた部の顧問。新任の私にこんなに負担をかけるわけにはいかないと思ってるのかな?
―――懸念するのも無理ないよね。けど。
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ?私、かるた好きですし、楽しそうなので頑張れます!」
「そのように張り切っていらっしゃると、余計に言いづらいのですが。実は、かるた部は活動をしているのかしてないのか定かでなく、実質、廃部同然といった状況でして」
「廃部同然?」
「ですから、名ばかりの顧問となりますことを、ご承知おきください」
あれあれ?そう来たかあ。
かるたと聞いて妙に張り切ってしまった私に申し訳なくて、そんな言い方になったんだね。
でも、確かに。これから忙しくなりそうだから、楽な部の顧問の方が助かる。活動日が定まっていないのなら、裏を返せば活動日だけ参加すればいいってことだもんね。
うん、よし。気楽にいこう!
とりあえず、今日は、顧問就任第一日目。まずは、部員皆に挨拶しに行かなきゃ!