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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




「せっかく作ってくれたのに………残念だけど、シドはあの曲を弾いてない、し………聴いても、いない………はず………」



私は、だんだんと言葉に詰まっていく。

………そう言いながら、何かが、頭をよぎっていくのだ。



あの日―――ピアノ室に入って来た、シド。



『これは、何だ』



楽譜を手にして、そう言ったのだ。



『これは、何だ』





『これは、何だ』






「シドは、あの曲を………聴いてない。楽譜を、持っては、いた、けど………」



私は、カクカクと震える膝を、両の手で抑える。



「………楽譜を読んだだけでも、ロイドくらいのレベルなら、メロディーが思い浮かぶはず。きっと、視覚も刺激されるはずだから」



そんな………そんな事って………!



「じゃ、あれは………あの時の事は………媚薬のせいって事?」



私は、つい、思っていた言葉を、声に出していた。



「この曲のせいでロイドとこじれたのなら、俺が謝らないとね」



「ううん………謝る必要ないよ、モー君は曲を、書いただけ、で………」


曲のせいなの?



媚薬が、効いた?



でも、それって、つまり………私を、好きって事?



―――本当に?



シドなら、好きでもない相手とでも、あんな事を平気ですると思ってた。


私を、面白半分に抱いただけだって………そう思ってた。



でも、違うのなら―――。







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