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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




私は、首を傾げる。



「だって、私は、何度もこの曲弾いてるけど………なんにも感じないよ?」

「君は、女性だから」

「女性だからってことは、男の人には、わかるって事?じゃあ………ルイ、は?」



ほぼ、毎日のように、ルイと練習してきたのだ。

けれど、変わった事なんてなかった。



―――あっ、ううん、そういえば、あの日………。



ルイが練習に遅れて来て、そして言ったのだ。



『レッスンは、もうおしまいにしよう』



「ルイが………あ、音楽祭では、ルイと弾く事になって………それで、ずっと一緒に弾いてきたのに、急に2人で練習しない方がいいって言い出したのね。だから、それっきり練習してなくて………」

「ルイと?そうか。多分、何度も弾いてるうちに、ルイは感じ取ったんだろうね」

「………っ、感じ取るって何を?ねえ、この曲を聴いたら、どうなっちゃうの?」



「それ、俺に聞く?」



急に、モー君の真っ白い頬が、ほんのりと赤みを増す。

え………もしかして、照れて、る?

ここで、照れるって、あり?



「ええっと………その、だって、作った本人でしょ?」



私は、そんなモー君の思いがけない表情にドキマギしながら、言う。





「………好きな相手を求めずには、いられなくなる」





好きな相手を求めずには、いられなくなる―――!?






その言葉が、私の頭の中をグルグルと駆け巡る。



―――そんな事って、ある?



「えっ、だって、だって!そんな曲を音楽祭で演奏しようとしてたんだよ?もしかしたら、会場中大パニックになるとこだったかもしれないのに!」

私は、声を荒げる。

「その、だから………何度も言ってるけど、これは、この曲は、ロイド自身なんだ。俺は、ロイドを曲にした。君に聴かせたくて。そして、ロイドにも」



「―――シドのための、曲って事?」



「そう。だから、この媚薬は、ロイドにしか効かない。2人が、想いを打ち明け合うきっかけになればと思ったから」



―――シドにしか、効かないんだ………。







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