第32章 私立リアリン学園!12時間目~アルバート~
『コレは、口止め料。君が誰かに話したら、リアリン学園長のオトモダチも同じ目に遭わせる。忘れないで』
冗談なんかじゃない―――それは、すぐに感じ取った。
オトモダチって、ジル教頭やシドのことだよね。つまり、リアリン学園長のように、この学園から追い出すってこと?それとも、手出しできないように軟禁するとか?
悪いのは、リアリン学園長なの?それとも、アーサーと伯爵なの?
教師は、左横側の壁沿いにある観覧席に座っている。発表を終えた生徒達は、右側からステージを降りていく。
こちら側からは、次の出番の生徒達がゾロゾロと通り過ぎて行き、ステージへと上がっていく。
その次のクラスとの入れ替えの合い間。真ん中の通路を歩くセバスチャンの姿を捉える。
ステージすぐの最前列の審査員席に座る伯爵に何か伝えている。頷く伯爵。軽く一礼して足早に去っていくセバスチャン。
そんな一連を眺めていて、ふと思う。
そういえば、セバスチャンは、どっちの味方なのだろう?
以前はもちろん、リアリン学園長と仕事していたんだよね。けど、今は、伯爵とアーサーの下で働いている。
私を助けてくれたし、シドと繋がってるから、勝手にリアリン学園長の味方と思い込んでいたけど………。