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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




「嘘、だぁ」



―――シドが、私を好き?



そんなの、信じられないけど………。



「昔、大切な人を亡くして以来、ロイドは人を寄せつけなくなってね。けれど、君と出逢ってからのロイドは、昔の彼を思い起こさせる」



大切な人を、亡くした?

そんな話、知らなかった………。



「いつだって、ロイドが、マインの事、すごく大切に想ってるのが伝わってくるよ」



………。

私は不思議で仕方なかった。



私を、大切に?



だって………大切な人に、あんなひどい事、する?



「君を遠ざけようとするのは、また、失うのが、怖いからだと思う」



―――大事なものを持たない。

そうすれば、失う事もない。

悲しくなる事もない。

そうか、そういう原理なのか。

………でも、それって、寂しい。



「変わってほしかった。君に、ロイドを変えてほしかった。だから、曲を書いた」



「えっと………話が結びつかないんだけど」



モー君の真剣な瞳を見つめながら、私は、まだ彼の言わんとしている事がまったく理解できなくて。



そして。



衝撃的な一言―――。



「この曲は、媚薬なんだ」



………びやく?



唐突に発せられたその単語に、戸惑う。

頭の中で、漢字変換。



「媚薬って………え?だって、媚薬って、薬みたいな………飲むものじゃないの?」



「一般的なものはそうだね。嗅覚で感じる媚薬が、香水やフェロモン。これは、聴覚を刺激する媚薬なんだ」



―――聴覚を刺激する、媚薬………?

そう言われても、理解できなくて………。







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