第30章 私立リアリン学園!~イケヴァン・アーサー~ 情熱編
表情を伺うことができないけど………こんなアーサー初めて。
いつだって強気で、自信に満ち溢れているのに。
これが、彼の本当の姿なの?
―――そうだよね。誰だって弱い部分がある。普段は、それを見せないようにしているだけ。いつだって、いろんな仮面をつけて本心を覆い隠しているのだ。
「俺、カッコ悪い。失望させちゃったね」
「ううん。そんなことないよ。だって………私も初めてだよ、こういう気持ち。うまく言えないけど」
「マイン」
顔をあげたアーサーの瞳は、思いのほか優しくて。
そっと、頬を撫でられる。
されるがまま、ウットリと身を任せる。
そんなアーサーを抱きしめたい―――なのに、できない。
自由がきかない身体を嘆きたくなる。
「ね、これ、解いて?」
ウネウネと肩を揺らして、控えめに頼んでみる。
けれど―――。
「う~ん、どーしよっかな。このままの方が、感じてるみたいだからさ」
あ………もう、いつもどおりのイタズラな笑みに戻ってる。
頬から離れていく手の平が、ゆっくりと下降していき、鎖骨を撫でる。
首筋に舌を這わせ、耳に頬に瞼にと、あちこちにキスの雨を降らせる。
そして―――唇が重なる。
すぐに深く激しくなり、お互いを貪るようにキスを交わす。
「んっ、んんっ」
その間にも腰の動きは速められていき、あまりの気持ちよさに意識が飛んでしまいそう―――。