• テキストサイズ

【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




~真実~





「ロイドと何かあった?」



―――ロイド。



その名前を耳にして、私の表情は固まる。

会ったら、聞かれるとは思ってた。

でも、なんて答えようかまでは、考えてなかった―――。



私は、早まる鼓動を抑えようと深呼吸をして、夜空を見上げる。

満月にほど近い月が優しく輝いていて、小さな星々が瞬いている―――。

泣き出したくなりそうなくらい、綺麗な夜だ。

それなのに、私は、心臓をギュッと掴まれたような、苦しさを覚え、縮こまる。

ひと握りの塵のようだ………。





「何があったかは聞くつもりない。だから、話す必要ないから」



私は、驚いて、モー君を見つめる。



「でも………」



「ロイドの話、聞く?」



「………」



そう聞かれて、私は黙る。

シドの話なんてしたくない。聞きたくもない。

けれど。

知りたい事がたくさんある。わからない事も。

このままでいたら、それらはすべて謎のままになってしまう。

私がモー君に会いたかったのは………すべてに納得したかったから。



だから―――。



「腹立ち過ぎて、ムカムカするけど………聞いておく」



モー君は、そんな私に優しい微笑みを向けて、話し始めた。





「ロイドとは、昔からの知り合いなんだ」

最初にそう言い出したモー君。

やっぱり、そうなんだ………。

「………腐れ縁って、感じかな。今は、仕事ついでに会う事が多い。最近では、君がウィルツに視察に来る事が決まって、反外交勢力の動きを探ったり、視察先の下調べでウィルツに滞在してたから」

「シドって、そんな仕事もしてるんだ」

私が、安全に視察できるようにって事だよね………。

「マインがプリンセスになったばかりの頃から、いつもロイドは君の話ばかりで。無意識かもしれないけど、マインの話をする時のアイツは、愛しくて堪らないって、そんな感じで………」



………え?



「………っ、ちょ、ちょっと待って!今………何て?」



私は、モー君の言葉を遮る。



「ん?ロイドが、君の事を好きって………え、もしかして、気づいてなかったの?」



モー君が、驚いてそう言う。

けど、私のほうが、彼の何倍も何倍も驚いて―――。







/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp