第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
「あれ、気づいてたんだ?その通り。あの音楽会は教育関連で成り立っている。席を取るには、所属と名前を登録する。誰がどこの席に着くか事前に把握できる。この学園の関係者をチェックしていて、君に行き着いた」
やっぱり―――。
グラグラと頭に強い衝撃が走る。
「隣りに座ったイイ男が話しかけてきただけじゃ、ただのナンパでしかない。『運命的な出会い』って思わせる演出が必要かなって。女のコって、そーいうのに弱いからね」
「………」
「けど、そこまで見破ってたとはね。どうりで釣り糸垂らしても食いつかなかったワケだ」
釣り糸って………なんて言い方。
私は、池の中の鯉!?
………そうだ、鯉と変わりない。運命的な出会いと思ってた。あの電話番号に、心をかき乱されていた。
そして、再会した時も―――。
あの時、私を見て、驚いていたアーサー。私よりも遥かに驚いた表情だったことが思い出される。あれは演技だったんだね。
私は、ずっと、アーサーの手の上でバチャバチャと跳ね回っていただけだったの!?
※次ページより、情熱編<R18>となります