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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~




アーサー達は、学園を救うためにリアリン学園長を追い出した。それは、非難すべきことだけど。もしそのままで、経営が破綻したら?

横暴な乗っ取りも、後には学園を救ったと評価されることになるかもしれない。

伯爵が学園長になることで経営が回復した場合、その時はきっと、真の救世主となり得る。



―――そんな正論、言わないでほしかった。

私の鈍い頭は、判断しかねていた。





キンコンカンコン~ ♪



昼休みを終えるチャイムが鳴り響く。

その音に、ほっとする。



「このことは、黙ってる。誰にも言わない。とりあえず、授業があるから行くね」


とにかくこの場を去りたい。それから、ちゃんと考えたい―――。



「待って」


歩き出そうとしたところ。

キュッと、左の手首を掴まれる。



「5時間目は、どこで何の授業?」


「………」



鋭い目つきで顔を覗き込んでくる。

手首を掴む力が強くなる―――。



「ねえ、何年何組?」


「あの、私………」


………知ってるんだ。

次の授業が、空きだってことを。



なにもかも、お見通しなんだ―――。



「俺に何か言いたいことない?」


「な、何も………」



………これだけは、気づかれたくない。

しっかりと、手のひらを握り締める。

これだけは、渡せない―――!



「………ゃ、痛っ!」


途端に、手首を捻りあげられ、ギリギリと絞めつけてくる。







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