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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~




伯爵が腕時計に目を落とし、ナプキンで口を拭って立ち上がる。



「悪いけど先に出るよ。マイン、楽しかったよ。ありがとう」


アーサーが小ぶりのスーツケースとアタッシュケースを持って、伯爵に続く。

出かけるには、大荷物。海外に出張なのかな。

そうなると、またアーサーとは、しばらく逢えないってことか………。



「あ、俺は、すぐ戻るよ?だから、そんなに寂しがらないで」


「べ、別に寂しがってなんかっ」



嬉しそうにニッと笑っているアーサー。

どうして、この人はこんなに、人の考えが読めちゃうんだろう。



―――私が分かりやすいだけ?



「マインは、ゆっくりデザート食べて。セバスチャンが片付けに来るから、このままでいいよ。じゃあ、また後でね」


伯爵とセバスチャンが去っていき、一人、のんびりとデザートのチョコレートケーキを味わう。



そうだ。後片付けは、私がやろう。次の授業は空きだから、時間はある。

ケーキを食べ終えて、お皿を片付け始める。



と。



プルルル、プルルル………。



隣りの学園長室から音が聞こえてきた。

え、あっ、電話だ!



学園長室へと繋がるドアの取っ手を回すと、鍵が掛かってなく、ドアが開く。

大きな机に置かれた電話が着信音を響かせている。

電話を取らなくちゃと、とっさに思って来たけれど………考えてみれば、人の電話に出るわけには、いかないよね。







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