第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
しばらくして、遅れてキッチンに入ってきたアルバートが、ケーキ作りにとりかかっている。
あまりにも手際がいいので、感心して見入ってしまう。
「毎年、誕生日のケーキ作りはアルの担当だから。年々、上手になっていってるんだよね」
ユーリが、そんな私に気づいて教えてくれる。
「そうなんだ。なんか、一切無駄な動きがないって言うか………職人さんだね」
「プリンセス、俺に見惚れてしまう気持ちは分からなくはないですが、あまり時間がないので、手を動かしてください」
突然、アルバートが顔もあげずに注意をする。
「あ………すみません」
見惚れてたわけじゃないんだけど、ね。
「アルー、よっく言うよ。さっきまでずっと横断幕とにらめっこしてたのはどこの誰だっけ?」
「なっ………、貴様こそ無駄口叩いてないで、やる事をやれ!」
「はい、はーい♪」
私達3人は、それからも、なんやかや言い合いながら、料理を進めていった………。