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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




~再会~





音楽祭の今日は、朝から大賑わいだ。

ウィルツの街には、陽気な歌とダンス、楽器を弾く人々で溢れかえっている。

文字通りのお祭り騒ぎだ。

笑顔と音楽で満ち満ちた、活気ある城下をゆっくりと散策していく。

あっちの音楽隊に目を惹かれてたかと思うと、小さな子ども達がオモチャの楽器を手に走り回っているのに、目を奪われる。

そんな微笑ましい光景を見ていると、晴れやかな心地がしてくる。

と、自然に顔が綻び―――自分で驚く。

私………笑えてる。

いつのまにか、元気になってきてたみたい。



「楽しいね」



隣りで微笑むルイにつられて、私も笑顔になる。

そんな私を、ルイが目を見開いて見据えてる。

「え、あれ、どうかした?」

「マインの心からの笑顔、久しぶりに見た………良かった」

そう言って、もう一度、笑う、ルイ。

そうだ、ずっとルイは気にかけてくれていて、それなのに私は………。

「………心配かけて、ごめんね」

ううん、と首を振るルイ。

「夜の演奏会まで時間あるから、もっと、いろんな所まわろうか」

「うん」

私は、もう一度、笑顔で答える。

少しずつ、自分を取り戻している事に気づく。

泣いたり悩んだりの毎日には、もう疲れた。



―――そろそろ、前に進まなくちゃ。








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