第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
~全校朝会~
体育館には、生徒達がクラスごとに列を作り並んで立っている。私達教師は、生徒達の横に壁に沿って一列になっている。
ステージに立っている伯爵とアーサー。
シンとした体育館に、マイクを通した彼らの声だけが響いていく。
リアリン学園長の解任については、事実を述べることなく、『諸事情で』とだけ説明された。
生徒達は、一瞬ざわついたけれど、すぐに静まり、アーサーの言葉に耳を傾けている。
伯爵とアーサーの挨拶、続いて四人の転入生の自己紹介をぼんやりと聞きながら、考えを巡らす。
いろんな事が一気に起こり過ぎて、頭がついていけてない―――。
最後に、ゼノ様が放課後に生徒会の集まりがあることを告げたので、それだけは忘れないようにメモしておく。
1年生から教室に戻り始めるのを、なんとはなしに見送っていると。
「ねえ」
急に背後に気配を感じたと思った瞬間、耳元で囁かれる。
「なんで電話くれなかったの?」
慌てて耳を抑えて、振り向く。
やっぱり、アーサーだ。