第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
「スケボーで怪我して休んでるって?不肖の息子ってヤツだね。いつまでも留年じゃ、グランディエ家的にも学園的にも格好つかないでしょ?寄付金のために置いときたいって気持ちも分からなくはないけど。そーいう悪いイメージ払拭したいからね」
アーサーの言葉から察するに………。
グランディエ家から、多額の寄付金を受けてるってことだよね?シドの家って、そんなにお金持ちなの?
それと、シドの休んでる理由。スケボーで怪我ってことになってるんだあ。
「それから、この後、全校朝会するから。ジル教頭、生徒達に通達ヨロシク。では、解散~」
アーサーは、何事もなかったかのようにニッと笑うと、軽い口調でそう言って両手をヒラヒラと振って見せた。
「先生方、1時間目の授業の準備をして体育館に集合してください」
ジル教頭は、低い声でそれだけ言うと職員室を後にした。放送室へと向かったのだろう。
荷物を自分の机に置き、時間割を確認する。1時間目は、1年1組での歴史の授業だ。
年表と、地図っと。
ワタワタと準備をし、他の先生達の後に続き、体育館へと向かう。