第29章 私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
私立リアリン学園!11時間目~イケヴァン・アーサー~
~イケヴァン アーサー・コナン・ドイル~
あれから、数日が経った。
シドは、順調に回復しているそうだ。こんなに寝てばかりの毎日なのは、人生初だとか。
今回の件について、ジル教頭からは、何も言われていない。クロードもロベール先生も心配することないって言ってくれてるので、気にしないことにしてる。
シドが刺されたのは、私が関わったからではないし。巻き込まれはしたけれど、私は怪我をしていないし、咎められるようなことは何もしていないから。
アーサーには、結局、電話をしなかった。
なんというか………タイミングを逃したって感じで。
電話番号を裏にして、机の前のコルクボードにプッシュピンで留めたままだ。
机に向かう度に気になってはいるけど、電話をする勇気が出ない。
もうきっと、私のことなんか忘れてるよね―――。
そうして、穏やかな学園生活が再び始まった。
今週からは、合唱コンクールが近いので、特別時間割となっている。
合唱練習の時間が多く取られていて、私の担当が多く割り振られてある。
生徒達が自主的に練習をこなしていくので、はっきり言って勉強を教えるよりも楽。
生徒達も生き生きとしているな。
日増しに上手になっていく歌声に聴き惚れてしまう。
いいな、私も一緒に歌いたくなってくるよ!
そんな時だった。
事件は、突然、起こった―――。