第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
あ、そうだった―――!
起き上がって、バッグを開けると、チケットを引っ張り出す。
裏に書かれた数字をじっと見つめる。
電話してって、言われたけど………。
ルイにこのチケットを拾われた時、私は、絶対、電話しないから―――そう決めていた。
それは、ルイに対しての言い訳のようでもあった。
本心は………どうなんだろう。
こういう時って、どうするべき?
こんなふうに連絡先をもらった人って、皆電話するもの?
私から電話しなければ、何も始まらない。
このまま、おしまいにするか、次へ進むか―――。
意を決して、スマホを取り出す。
別に好きだとか、つきあってほしいとか言うわけじゃないよ?
電話したからって気があると思われるかな。
軽い女とは思われるかもしれない。
けど、きっと、アーサーは、私より遥か上をいく軽い人であるだろう。
電話番号だって渡し慣れてるだろうし。
だから、便乗してみよう。
大丈夫。
本気には、ならない。
私だって、冒険したいだけ―――。
ツ―――ッ。
身体の内側から、なにかが流れていくのを感じる。
ドロリと溢れ出して脚へと伝っていく自身の愛液。
………っ、なんで、こんなに濡れちゃっってるの?
もう一度、アーサーの顔が頭に浮かんでくる。
少しイタズラっぽく、明るい笑顔を向けるアーサー。
メガネをかけた真剣な横顔。
強い意思を秘めた瞳をして、ロビーで佇んでいたアーサー。
ああ、どうしよう。
こんな状態で電話したら―――今すぐ抱いて欲しいって言ってるようなもの。