第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
~ひとりえっち~(R18)
歩いているという実感がないようなくらい、足元がふわふわとしている。
酔いのせいだけじゃない。
ほんの少し触れるだけのキスに、こんなにも心をかき乱されるなんて………。
ドアノブに、ドレスを買ったお店の紙袋が掛けられてある。
そうか、クロードが宿舎に届けておくって。その後、預かった誰かが、こうしてくれたのだろう。
部屋に入るなり、ポスッとベッドに身体を沈ませる。
あ、ドレス。シワになっちゃう。
それなのに、身体を起こそうとしない。というか、起こせない。
明日、セバスチャンがクリーニングに出してくれるって言ってたから、いっかあ。
ルイと一緒に過ごした時間は、あまりにも素敵過ぎた。
もう少し、このまま余韻に浸っていたくて―――。
音楽会の話題以外、ルイから話すことは、ほとんどなかった。
舞いあがっていたのと酔った勢いとで、私ばかりがベラベラと喋り続けてたってのに、うんうんと頷きながら聞いてくれていたっけ………。
両手で顔を覆う。
まだ、頬が熱い―――ルイの唇の感触が鮮明に残っている。
ルイ―――。
ゆっくりと唇に触れ、唇の形をなぞる。
首筋へと手を滑らせ、ドレスの上から胸の膨らみを辿る。
柔らかな丘の先端を軽くつまむ。
ああ、これが、ルイの指だったら―――。
『そのドレス、すごく似合ってる。綺麗だね』
『………マイン先生のドレス姿が、見たかったんだ』
『だから、ここに呼んだ』
ルイの言葉が、何度も何度も頭の中で繰り返される。