第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
コ、コ、コン。
開いたままのドアに、ノックの音。
振り向くと、戸口にセバスチャンが立っていた。
「マイン先生も一緒でしたか………良いですね、そのドレス。まさに馬子にも衣装」
セバスチャンは、チラリと私を見て、真顔でそう言う。
「ちょっと!失礼なっ」
私にお構いなしに部屋に入って来ると、テーブルの上の花束を抱え始める。
「マイン先生もいるなら、残りの花束は三人でも運べそうですね………はい」
セバスチャンから花束を渡される。
「えっ」
と、この腕の中に、どんどんと積み上げられていく。
あっというまに両腕いっぱいに抱え込むように花束を持たされて。
「では、参りましょうか」
すべての花束を三人で抱え終わると、セバスチャンが先頭に立ち、さっさと歩き始める。
私とルイは並んで少し遅れて、後に続く。
「途中で食事して行こう。疲れてるなら、まっすぐ帰るけど?」
「ううん、大丈夫だよ」
ルイに、そう囁かれて。
心臓がドキドキと、爆発しそうなくらいに音を立て始めていく―――。