第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
「お帰りになるのでしたら、私の車でお送りしますよ。これだけの花束を運ぶのは大変でしょう」
「いや、車は手配してある」
ルイが、間髪を容れず断る。
「実は、この後、寄る所がございまして、お二人にもご同行していただきたいのですが」
「寄る所?」
私は、ジル教頭の言葉に反応して、聞き返す。
と、いつのまにか隣りにルイがいて、背中を軽くツンと突つかれた。
「ジル、悪いけど今日は疲れているから、まっすぐ帰る。マイン先生は、俺が送っていく」
「そうですか。では、私は、これで」
ジル教頭は、断られたことを気にするでもなく、微笑んで、その場を去って行った。
「バレてるね」
ジル教頭の姿が完全に見えなくなると、ルイが呟く。
「何が?」
「シドのこと」
「どうして、そう思うの?」
私は、驚いて聞き返す。
「この後、寄る所って行ったら、一つしかない」
「えっ、シドの隠れ家ってこと?なんで、私達に一緒に行こうって言ったんだろう?」
「ここは人の出入りがあって話しづらいから、車の中か隠れ家でゆっくり話したかったんだと思う」
「ジル教頭には、知らせてないってクロードは、言ってたけど」
「クロードに会ったの?」
「うん、ロベール先生と一緒に来た。あと、アランも」
「………そっちもバレてたんだね。隠すのは、難しいね」
ルイが苦笑する。