第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
「お話し中、失礼します」
ビクンッ!
聴き慣れた声が入口の方から聞こえて、肩を震わせてしまう。
振り向くと、そこには、ジル教頭の姿があった。
「マイン先生もいらしてたんですね。今日は一段とお美しいですね。そのドレス、よく似合っていますよ」
「ありがとうございます………」
ジル教頭に、ニッコリと微笑まれて、ドキマギする。
いつからいたんだろう。さっきまでの会話って、聞かれてたりするのかな?
「ハワード卿、素晴らしい演奏でしたよ」
「ありがとう、ジル」
………ジル教頭とルイが話しているのを聞いていると、教師と生徒という感じがまったくない。
ルイの方が、上みたいな態度だ。
それに、『ハワード卿』って。
『卿』って、なんだろう。
伯爵とか大公とか、どういう地位なのか、どういう順序で偉いのか、全然わからない。
ただ、わかることは、ルイもその『偉い人』の中の一員だということ。
第一王位継承者って、言ってたもんね。
私には、ほど遠い世界だ。