第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
「………!?なんで、そうなるの?そんなんじゃないよ。私がまだ街に行ったことがないって言ったら、連れて行ってくれるって。一人で行くのも心細かったから一緒に行くことにしただけ」
ルイは、険しい顔つきをしたままだ。
一体、どうしたんだろう………。
「昨夜のシドの様子は、どうだった?何か………話したりとかした?」
「シドは、ずっと寝てたよ。夜中に起きて薬を飲ませたら、またすぐ寝ちゃったし」
「そう」
そこで、やっとホッとしたように息をつくルイ。
………ずいぶん、シドを気にかけてるんだな。なんだかんだ言っても、大事な幼なじみなんだろうね。
「私、怪我の状態がどうか詳しくは、わからないんだ。深く刺されたから起き上がれないくらいひどいみたいだけど、元気はあるよ。後でロベール先生に聞いてみるといいよ」
「………」
「ルイは、シドが心配なんだね」
「………俺は、マイン先生が、心配なんだ」
「あ、えっ、私?私は、どこも怪我してないよ?シドが刺された時は、一緒にいなかったし」
ルイの思いもかけない言葉に焦る。
私が心配って、どういう意味―――?