第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
演奏が終わって、大きな拍手を贈っていると、伯爵とアーサーの会話が耳に入る。
「悪くはないが、彼以外は、力不足だね」
「ま、こんなもんでしょ。才能あるのは、ほんのひと握りだからね。まー、まだこの後、イイ人材揃ってるはずなんで、楽しみにしますか」
………ずいぶん、手厳しいな。
この二人は、音楽関係者なのかな。スカウトか何か?
優秀な未来の演奏家を探しに来たとか?
その後も申し分ない演奏は続き、アーサーと伯爵の辛口な批評も続いていた。
プログラムは滞りなく進んでいき、終わりが近づいてきていた。
そして、プログラムの最後。
ルイの出番だ―――。
ステージ上のルイは、凛としていて、神々しいくらいだ。
スポットライトがあたっているかのように、そこだけ眩しく感じられる。
まばたきするのも忘れちゃいそうだよ―――。
ピアノの調べは、滑らかに耳に染み込んでいく。
練習の時より、格段に腕が上がっている。
技術面もさる事ながら、ルイの持つ冷静さと内に秘めた情熱を感じる表現力に圧倒される。
上品さの中にしっかりとした芯があり、はかなげに、でも力強く、紡ぎ出されていく音色に、息を呑む。
心をギュッと掴まれているようだ。
ラストを飾るにふさわしい、圧巻な演奏に、誰もが魅了されている。
すごい―――。
こんな演奏ができるなんて、ルイって、やっぱりすごい!