第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
会場中が、割れんばかりの拍手喝采に包まれている。
私も夢中で拍手し続ける。
「彼がルイ=ハワードか。いい演奏をするね」
「イイね、彼。将来有望株だなー」
伯爵とアーサーも珍しく手放しで褒めている。
ほらね、ほらね、ルイって、すごいんだから!
自分のことのように嬉しくなって、更に拍手を強める。
ルイの姿が見えなくなっても、いつまでも拍手の音は続いていた。
ジンジンと手の平に痛みを感じてきたところで、拍手をおしまいにする。
鳴り止まない拍手の音も、やっとまばらになってきたので、おもむろに立ち上がる。
「ねー、マインー、この後予定ある?よかったら、俺達と一緒に食事に行こうよ」
アーサーが、待ってましたとばかりに声をかけてくる。
「ごめんなさい。用事があるんだ」
「えー、ダメ?彼氏と待ち合わせとか?」
「………っ、そんなんじゃないけど」
「じゃー、その用事、どうにかならない?」
「………」
一瞬、迷った。
けれど。
終わったら楽屋に来てとルイに言われてるし、今日初めて会ったばかりの人と食事に行くのはどうかと思い直す。