第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
慌てて、パンフレットに視線を移す。
えっと、午後の部の一番は、シュタインの四重奏か。
四人がステージに姿を現すと、大きな拍手が湧き起こった。
まだ演奏前だというのに、あちこちから歓声が飛び交い、その人気のほどが窺える。
ん?
………周囲から、『ハルナイト大公』という名前が、ちらほらと聞こえてくる。
なので、パンフレットをもう一度見る。
レイヴィス=ハルナイト―――第一ヴァイオリン奏者だ。
大公ってなんだろ。よくわからないけど、偉い人ってのは、間違いないんだろうね。
そして、やっと訪れた沈黙の後、ヴァイオリンとヴィオラ、チェロが心地よい調べを奏で始める。
中でも、第一ヴァイオリンが群を抜いて見事な演奏を披露している。
他のパートは、彼をひきたてようとして抑え気味の演奏で、そこがまたうまく調和を保っているのが感じられる。
素敵な演奏だな。
ウットリと聴き惚れてしまう。