第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
お昼少し前に、ロベール先生と一緒にクロードとアランもやって来た。
ロベール先生は別として、二人も一緒だなんて………。
「どうして、クロードとアランも?」
「嗅ぎつけられちゃってね」
ロベール先生が、苦笑しながらシドの元へと歩いていく。
「昨夜、ルイとロベールがコソコソしてるから何事かが起こったとは察してたが。ドレスを頼んできた時も何も言わないから、もうこうなりゃ見張っておくしかないないと思ってな。しかし、マイン、災難だったな」
クロードが私の頭をポンポンと軽く叩いて通り過ぎる。
「刺されたって?ドジったな」
笑いをこらえながら、シドに向かって言い放っている。
「うるせえ」
ロベール先生が傷の手当てを始めているのを遠くから見守る。
「ジルのヤツ、なんか言ってっか?」
「こんな面倒なこと、わざわざ知らせるわけないだろ」
シドとクロードの会話をぼんやり聞いていると。
「ルイのヤツ、朝早くに弁当作ってくれとか不自然過ぎ。けど、まさか、マイン先生とシドの朝食作らされてたとはな」
「ありがとう、アラン。とっても美味しかったよ」
「ん」
アランは、少し照れたようにぶっきらぼうに頷く。
そして、私にドレスを差し出す。
「もう、あんま時間ねえから着替えろよ」
「ああ、マイン、そのドレスは出来合いので、サイズが合ってないんだ。今手直ししてやる」
クロードは、私達のやり取りに気づいて声をかける。
「クロード、わざわざ用意してくれてありがとう。でも、私、ドレス持ってるんだ」
「そうか、それなら話が早い。じゃあ、まず着替えて来いよ。メイクを手伝ってやる」