第28章 私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
私立リアリン学園!10時間目~ルイ&イケヴァン・アーサー~
~夜明け~
ピンポン。
その音は、どこか遠くで………シンと静まり返っているので、隣りの家の呼び鈴が聞こえてきたのかと思うほど小さく聞こえた。
ん………。
目をこすりながら振り仰ぐと、見慣れない天井が目に入る。
ここ、どこ………?
一瞬、考えて。
そうか、シドの隠れ家だった。
いつのまにか、ソファに寝てしまっていたのだ。
縮こまって丸まったままの身体をゆっくり伸ばし、起き上がる。
ピンポン。
もう一度、呼び鈴が鳴った。
………誰か、来たんだ。
あ、ロベール先生が来るって言ってたもんね。
立ちあがって、玄関のドアへと向かう。
そこだけ明るく照っているインターホンの画面を覗いて確認すると、すぐにドアを開けた。
「ルイ?」
てっきり、ロベール先生だとばかり思っていたから、驚いてしまった。
明けたばかりの朝日を受けて、金髪が柔らかく輝いていて、眩しい。
あれっ。
よく見ると、正装に身を包んでいるルイ。
わ、本物の王子様みたいだ。
「ごめん、起こしちゃった?」
その一言で………自分が起き抜けのボサボサ髪にスッピンなことに気づく。
うっわ~~っ、恥ずかしい!
慌てて髪をなでつけ、両手で顔を覆いながら、ルイを部屋へと招き入れる。
「………アイツの具合は、どう?」
「大丈夫だよ。今、眠ってる」
「そう」