第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
「どうだ、気に入ったか」
「気に入るも何も………とってもキレイだけど、これ何?」
「おい、いくら男経験少ねえからって、そんな純情なのかよ?」
「へ?」
男経験?
純情?
「バイブだ」
………。
は?
私は、ポカンとシドを見つめる。
「え、あの、今、なんて?」
「だから、バイブだっつってんだろ」
「えっと、マッサージ器ってコト、だよね?」
「肩凝り用とかボケんなよ。性感用だ」
「性、感………はぁっ!?これが?だって、バイブって………アレだよね?いわゆるオトナのオモチャっての。普通は、その、なんか、あの男の人のモノそのまんま、みたいな、グロテスクなヤツでしょ?」
「お前、そんな貧相なのしか使ったコトねえのかよ」
「な………っ、バイブなんて使うわけないでしょっ!!!!」
「よっぽど『ラブグッズ』ってヤツに偏見持ってんだな」
「偏見って………あのねえ」
………頭が痛くなってきた。
どうして、こういう発想になるんだろう?
首を傾げつつも、手元の箱の中身から目が離せない。
端が花びらみたいにカットされた説明書をつまみ、文字に目を走らせる。
『バイブレーターラビットタイプZALO Ichigo ストロベリーピンク。ZALOのテーマは、ベルサイユ。夢のように美しくて、甘い蜜たっぷりの庭園にインスパイアーされた美しいトーイブランドです』
うん、確かに。おとぎ話のような物語の世界観がある。