第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
私は、手元の包みのリボンに手をかける。
中に入っていたのは、両の手の平を少し広げたくらいの大きさの楕円形のミントグリーンのボックス。
蓋には、シャンデリアが飾られた豪華な部屋の絵が描かれている。
乙女心をくすぐるようなパッケージ。
これだけでも、あまりに可愛らしくてワクワクしてくる。
高級そうなクッキーかチョコレートが入ってるのかな………いや、でも、もっとずっと高価な物が入ってそう。
シド目線という観点から想像するなら、中身は………あ、ランジェリーかな。
それはそれでちょっと恥ずかしいかも。
でも、多分、絶対、素敵な物であることには間違いない。
そっと蓋を開けてみると、アイシーグレーのサテンのミニポーチに、説明書、それに………充電コード?
それらが、ボックスと同じミントグリーンのリボンに包まれている。
でも、どうやらこれだけでは、なさそうだ。
この下に入っている物が本命だ。
リボンの取っ手を引き、中蓋をパコッと開ける。
………!?
そこには、ふかふかのクッションに包まれるように、ストロベリーピンクの細長い物がちょこんと収められていた。
形的には、時代劇に出てくる十手のようだけど。全体的にコロンとした丸みを帯びてツルツルした感じ。
そして、その先端には、18金を施したゴールドチェーンがアクセサリーのように繋がっている。
マットな質感と輝きのコントラストがすごく美しくて、目を奪われる。