第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
ノロノロとキッチンの奥へと歩いていく。
トイレと洗面所。その更に奥がバスルームになっている。
洗面所に置いてある籐のチェストの引き出しから、タオルを取り出す。
ふんわりと肌触りのいいタオルに触れ、やっと安堵する。
熱いシャワーを浴びていると、ボウッとしていた頭が冴えてきた。
さっきまでの出来事が、嘘のように思えてくる―――。
けれど。
バスルームを出て、ベッドで眠っている包帯姿のシドの痛々しい姿を見ると、嫌でも現実を叩きつけられる。
音を立てないように、紙袋の中から着てきたブラウスとスカートを取り出し、着替える。
疲れた―――。
崩れるようにソファに座ると、そのまま横になった。
程よい柔らかさのソファは、それだけで眠りを誘う。
いつしか、私は、深い眠りに落ちていた。